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読書系女子のあれこれ

旅行と本が好き。面白かった本の考察とおすすめです。

タイトルオチで悔しい思いをした本まとめ

ある程度本を読んできた人間なら、タイトルに釣られてお金を無駄にした経験が1度はあると思う。

 

本を手に取るきっかけとしてタイトルが重要なのは確かなのだが、タイトルだけ面白い本というのが世の中けっこうある。

タイトルでハッタリをかますこと、しょうもないまとめサイトの如しである。

 

そんな本に引っかかったときの悔しさをまとめました。

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目次


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ブルネイでバドミントンばかりしていたら、なぜか王様と知り合いになった』

タイトルと書き出しはめちゃくちゃ面白い。ついでに内容も普通に面白い。

ブルネイはエンパイアホテルのコートでバドミントンをしていたら、ブルネイ王妃がダブルスの試合を始めたところからの話だ。 


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ブルネイはマレーシアとインドネシア辺りにある小さい島。


外交官としてブルネイの大使館に赴任した筆者が、ゼロから現地に溶け込み王族や大臣と個人的に知り合う仲になったまでの話である。

 

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そもそも、タイトルの「なぜか王様と知り合いになった」の部分。
「なぜか」ではない。
普通に狙ってバドミントンを道具として近付いている。

 

私は旅行が好きなので、ブルネイでの生活や現地の文化や面白い話を期待して買った。

それが無かったかと言われるとそんなことはなくて、ブルネイ人の気質や、生活などはかなり詳細に書かれている。

それも水上生活している村の人から、王族まで


外交官としての裏情報や当時の完了事情など、この人にしか書けないオリジナリティは十二分で、普通に面白い。

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ただ、いかんせん内容の半分くらいが自慢。

 

繰り返すが、やっていることは本当にすごいのである。
バドミントン日本代表オグシオ(改めイケシオ)を初めてブルネイに招聘したのはこの人だ。

ゼロから外国で現地の方のコミュニティに入り込む技術、宗教や外交にブルネイの情報も十分で、話自体は本当に面白い。

 

すごいのだが、こんなすごいことをしたオレ自慢がベースで書かれており、ブルネイの話が相対的に少ない(半分くらい)。
妻子を犠牲にして男社会で我が物顔をして生きている、悪い意味でエリートの昭和日本男児という感じだ。


ブルネイベースではなく自分ベースだったので、がっかり度★3です。



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著者の大河内氏が更新していたブルネイ南の風通信は良かったです。
ブルネイ写真ニュース

 

 

『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話』

本当にギャルが偏差値を40上げて慶応に受かった話なので、タイトルに関してはその通りだ。

 

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具体的な学習方法、モチベーション管理、教員向けには指導方法なども盛り込まれていて、とても良い本だった。

ダメな人間などいません
ダメな指導者がいるだけなのです

とはいえ、このコピーはハッタリをかましすぎ。

良い指導者に指導してもらうためには金と環境が要るのである。

 

しかもこの子の受験のキーの3大要素、
地頭の良さ・自己肯定感の高さ故の素直さ・お金を用意してくれる理解のある親。

完全に親ガチャSSR上位10%

 


しかしながら、中2で英語のheもわからない状態から1年で全国模試の偏差値70を越すというのは、そう出来ることではない。

 

家庭の不和に学校の先生にも見放され、自分には何もないと思っている中1レベルの学力もないギャルという状態ではむしろ

「このまま上の大学にもあがれなくて、そうしたらもう大学に行く気も失せるだろうし、適当にバイトでもして、結婚して、早めに子育てするんだろうなー」

という本人の回顧通りの人生になっていた可能性が高い。

 

家庭の不和の妨害力は強いので、人生を諦めてしまう人間の方が圧倒的に多いだろう。

そんな中、彼女と向き合い、適切な勉強方法とモチベーションを常に与え続けることの難しさ。

筆者はとても優秀な教師だと思う。

 

具体的な学習方法(主に英語・日本史)、受験のテクニック、教師向けには指導方法など、これから何かしらの勉強や受験を控えている方、その周辺の方は読んで損はない本だ。

※2015年の情報なので、現在はまた情報がアップデートされているかもしれない

 

この子が成功した理由の大部分が親ガチャSSRというラッキーに起因するものであり、

そこのところを踏まえて更に筆者が塾の経営者という立場を踏まえると、(宣伝的な意味も含めて)ハッタリをきかせて書いたなという印象で★3です。

 

 

番外編 : タイトルでネタバレ翻訳ミステリ連作

  • 『悲しみのイレーヌ』
悲しみのイレーヌ (文春文庫)

悲しみのイレーヌ (文春文庫)

 

 

イレーヌです。


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原題はTravail Soigne

直訳は「手の込んだ仕事」。

聖書等になぞらえて異様な殺し方をしてくるサイコパス連続殺人犯を追う刑事の話なので、原題はしっくりくる。

 

特に最後の逼迫したシーンが必見。

犯行後毎度おちょくるようなメッセージを警察に送ってきていた犯人がついに判明、そして最後の残酷な殺人の次のターゲットになる人も判明。

 

カミーユ刑事が急いで現場に駆けつけるも、被害(予定)者は誘拐されてしまった後、ギリギリ殺されるまでに間に合うかの瀬戸際、ハラハラしてからの…

そう、『悲しみのイレーヌ』…。

 

 

  • 『死のドレスを花婿に』
死のドレスを花婿に (文春文庫)

死のドレスを花婿に (文春文庫)

 

まずタイトルのワードを拾ったら半分くらいで犯人がわかる。

さらに「死」を入れることで、完全にオチをバラしてきた類い希なタイトル。


原題は Robe de marié

直訳は「ウェディングドレス」

そこまでなら良かったのだが。

 

がっかり度f:id:quelle-on:20200430003202j:imageミステリーとしては、本当に本当に構成が素晴らしく良くて最高。

この小説の最大の魅力は話を2転、3転させてくる劇的な展開なのだが、

1転目、2転目、3転目全てのオチをタイトルに込めるというハットトリックシュートを決めてきた。

なんで。

 

女性目線と男性目線で交互に話が進んでいくのだが、女性は自分の意識が時々飛び、その間記憶にない行動をとっているらしいと気づき、人生が崩壊し始めるところから話が始まる。

主観の不確実さや、人間ひとりの人生を壊すことがいかに簡単かを問うてくる作品だ。

 

タイトルさえ違っていれば、最後まで最高の興奮で読み切れたはずだった。

がっかり度★4です。

 

 

どちらもフランスの小説。

イレーヌの方はハードにグロ目だが、このミス1位になったり映画化しているくらいなので、本当に面白い。

フランスの街中で話が進むので、フランスやヨーロッパが好きな方もぜひ。

悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)

悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)

  • 発売日: 2015/10/09
  • メディア: 文庫
 

どちらも間違いなく面白いが、個人的には『死のドレスを花婿に』の方が好き。

死のドレスを花婿に (文春文庫)

死のドレスを花婿に (文春文庫)

 

 

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今後も順次追加していきます。
タイトルオチ本のオススメがあったら教えてください。
面白そうだったら読みます。