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読書系女子のあれこれ

旅行と本が好き。面白かった本の考察とおすすめです。

映画の方が女の子たちの個性、輝いてる『ニシノユキヒコの恋と冒険』

 小説自体、特に話の内容で際立ったところはなかった。特に面白くもなかったし、女流の作家が書いたな~~という感じ。

なのに暇だから観た映画の『ニシノユキヒコ』がめちゃくちゃ良かったのである。

映画で急に良いところが浮かび上がってきたぞ、何があった、と思った。

 

結論、配役とキャラのマッチングが最高

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女の子たちの配役が豪華。

本田翼、木村文乃尾野真千子成海璃子中村ゆりか麻生久美子阿川佐和子

ニシノユキヒコの恋と冒険 (新潮文庫)

ニシノユキヒコの恋と冒険 (新潮文庫)

 

小説/過激な内容の割に印象が薄かったわけ

姿よし〇〇よし。女には一も二もなく優しく、懲りることを知らない。だけど最後には必ず去られてしまう。とめどないこの世に真実の愛を探してさまよった、男一匹ニシノユキヒコの恋とかなしみの道行きを、交情あった十人の女が思い語る。

アマゾンのあらすじより(不健全なので一部伏せました)

 

この話の醍醐味、というか見せ場はニシノユキヒコが短期間で関係して、フラれて、を繰り返す個性豊かな女の子たちとのエピソード。映画では6人+1人になっている。


小説では、それぞれとのエピソードが短編で集まっていて、構成としては好きだし面白い。ただ、読後の感想としては、正直あまり印象に残らなくてふわっとした感じだった。
それが作風でファンにはそれがいいのかもしれないんだけど、薄くサラっと流れすぎだと思った。

 

ひたすらいろんな女の子とのエピソードを並べる系でいえば、口説く側なら井原西鶴好色一代男 』の方がハチャメチャで面白かったし、女の子のエピソードでいえば吉田修一の『女たちは二度遊ぶ』とかの方がそれぞれのインパクトは遥かに強かった。

 

ニシノユキヒコも

やってることはけっこうすごいのだ。

 

それでもぼんやりとした印象に感じたのは、エピソードがそれぞれの女の子の視点でニシノユキヒコの思い出について書かれているからか。

エピソードは強烈なのに、やけに淡白で感情の起伏の表現について、あえて「客観的に、終わったこと」として書かれている。

全体的に淡々とした「そういえばこんなことがありました」調で、語り・記述が平坦に感じたんです。いい思い出にしちゃってる。

そこがニシノユキヒコの人物像を語る上での鍵ではあるのだが。

映画の女の子たちとニシノユキヒコ

そんな印象の薄い話が映画になると、これがとても良かった。話の筋はほぼ一緒で別にどうという訳でもないんだけど。
配役がそれぞれの女優さんのキャラを引き立てる感じに上手に設定されていて、それで女の子一人一人の個性とエピソードが輝いて表現されているからかなと思い至った。

ニシノユキヒコの恋と冒険

ニシノユキヒコの恋と冒険

  • 発売日: 2014/08/20
  • メディア: Prime Video
 

配役と女の子の設定は以下の通り。

主人公/ニシノユキヒコ竹野内豊

  •  元カノOL/カノコー本田翼

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※夏美の娘/みなみ中村ゆりかは、ニシノユキヒコと関係を持ったわけではないので省きます

 

わがままで独占欲が強い後輩系OLの本田翼バリキャリ上司の尾野真千子、しっとりとユキヒコを語る子持ち大人のお姉さん、麻生久美子、懐いてくる猫みたいな癒し系不思議女子の成海璃子、それをお姉さんみたいにお世話して西野に嫉妬する木村文乃

 

それぞれのイメージにぴったりで、ニシノユキヒコと出会って関わって、そして別れていくエピソードが何一つ不自然でないばかりか、それぞれ個性が輝いている。

 

アマゾンのレビューを見ているとそれぞれの女の子たちに共感して観て(読んで)いる人もいるようだ。ユキヒコの「どれだけ女の子と関係しても、どうしても女の子を心から好きになれない」みたいな部分にも。

 

ユキヒコは息を吸うように女性を喜ばせる言動ができる。よってただ普通に生きているだけで女性が惚れてくれて関係することができるのだ。女性たちが「かわいそうなユキヒコ」って。

ちょっと村上春樹の主人公っぽさを感じる。

 

まとめ

この映画は、原作と映画の両方、二つで完成の作品だと思った。

原作だけでは軽すぎるけれど、あの原作を磨き上げないと、ここまで見事に女の子の個性が活きる映画にはならなかったはずだから。

 

あと、自分だけを見て欲しい元カノOLの本田翼が浴衣で迫ってくるところは本当に良かった。

ニシノユキヒコの恋と冒険(新潮文庫)

ニシノユキヒコの恋と冒険(新潮文庫)