読書系フリーターの日常

ブラック企業を新卒半年で辞めた読書好きフリーターがいろいろ考えています。契約社員になりました。

辻仁成の小説でありがちなこと

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前回の記事は今回みたいなのが書きたいがために書いたんですけど、同じ作家の本何冊も読んでると「また主人公の設定一緒かよ」ってなることない? - 読書系フリーターの日常
私が好きな作家の主人公とその周辺の人物でよくある設定をまとめてみました。
今回は辻仁成です。

参考:『冷静と情熱のあいだ』『嫉妬の香り』『サヨナライツカ』『ニュートンの林檎』


よくある設定

主人公
親の愛を知らずに育った。周囲から浮いているが、大抵芸術関係の仕事で大成する(している)。
好きな女との仲をわざわざ壊しにいくような破壊衝動と情緒の不安定さをもつ。
激しやすく嫉妬深く、繊細で人を信用できない、ちょっと村上春樹の小説にも通ずる設定がほとんど。(私は村上春樹をあんまり読んでいないのでイメージ)
家庭向きの女と結婚するが、愛人体質のいい女が忘れられなくて時を経て再開するパターンと、いい女が忘れられなくて結婚しないパターンが多い。
どちらにしても若いころ出会ったいい女が忘れられない。


ヒロイン
他の男と付き合っている最中(もしくは直後)に出会い惹かれあう感じで出会う。
はっきりとものを言う自分の価値観で動くタイプで、かなり目立つ存在。奔放で自分を強く持っており変えようとしないところが主人公には魅力的に写る。
本妻型の女性と愛人型の女性両方が出てくることがあるが、ヒロインは愛人型が多い。
いづれにしても、主人公がハチャメチャな行動をとろうが浮気しようが、違う女と結婚しようがいつまででも忘れないでくれる度量の広い人物。
二人称は「君」が多い。

『サヨナライツカ』 
沓子 「君は私が養ってでも傍に置いておきたい男。君は可愛い人」

ニュートンの林檎』
元子 「君は冒険したことあるの。行く当てのない旅に出たことってある?」

パターン1 レザージャケットの似合う感じの、スレンダーボーイッシュ美女
パターン2 色っぽい、奔放で魅惑的でいかにもな年上系美女


主人公の父親
冷酷な仕事人間。金の亡者でおよそ人間らしいところもいいところもない完全な悪役。(読んだ全作品一致)
妻の死語、再婚して若妻を連れているパターンもあり、自分の父の遺産を狙っている。


主人公の母親
主人公の人生を振り返るところでたいていちょっぴり出てくるが影が薄い。
主人公の幼い頃自殺しているパターンも。


主人公の祖父(またはそれに準ずるおじいさん)
男手ひとつで主人公を育てる。
この場合、祖父とは100%父方の祖父である。主人公の父親と真逆の器の大きい人物であり、息子(主人公の父)と仲が悪い。
たいてい小説や陶芸など芸術関係でそれなりの地位を築いてお金をもっている。
主人公がさまざまな困難を乗り越えかけたあたりでだいたい死ぬ。
そして、遺産と作品を主人公に遺してくれる。


主人公の祖母・・・ほぼ出てこない。


親友や同僚(男)
主人公と似たタイプだが主人公よりステータスが高かったりハチャメチャだったりするが、主人公に影響を与える人物。
村上春樹の『ノルウェイの森』のキズキくんあたりを思い出す設定。『ニュートンの林檎』の樹彦はマジでキズキくんぽい。
(読んでなかったら伝わらなくてすみません)


よくある概要

冷酷な仕事人間の父親に見放され、親の愛を得られずどこか破壊的に生きる主人公は、映画とか音楽とか何かしら芸術的な才能を持ちながらも周囲になじめずに、あるいはあえて馴染まずに荒んだ生活を送っていた。

おだやかで優しい本彼女と大学時代に会ったか途中から愛人として出てくるファム・ファタル系いい女を同時進行。

結局安定を求めて本カノと結婚したり真面目に就職したり安定した生活を築くも、かつて関係をもったいい女が忘れられぬまま日々を送る。

ある日忘れられない女からコンタクトが。運命の再開を果たすも、彼女もまた人生に翻弄されていて・・・。
みたいな感じ。




※これらの設定、性格や家族背景は主人公だったりヒロインだったり、別の人物に所属することもあります。
しかし、こんな感じの設定をもつ人物は必ず出てきます。

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ていうか、映画『サヨナライツカ』でヒロイン沓子役の中山美穂の、初めて主人公を誘惑してベッドインするシーンがものすごく色っぽかったので一見の価値ありです
そこは置いておいても、内容は、
「役職について良妻賢母の妻と二人の子供をもって安定した暮らしを手に入れた中年男性の、なにか満ち足りない思いと自由で楽しかった青春」に焦点を当てた内容になっています。特に30代以降の方におすすめしたい映画です。
金曜の夜にいいですよ。
ひたれるし、泣けます。